マーケティング コラムデジタルマーケティング

CVRが高いインフルエンサーの起用、及び運用方法

デジタルマーケティング
2023.04.27

インフルエンサーを起用して自社のマーケティングやブランディングに活かしませんか?インフルエンサー活用におけるメリットやデメリット、ポイントについても詳しく説明します。

そもそもインフルエンサーとは?

インターネットが日常生活で使われるようになり、スマートフォンの普及も伴って現在はインターネット上で情報を発信し、それを閲覧してコメントを返すなどのコミュニケーションも活発に行われるようになっています。
以前ならばWebサイトやブログを開設した上で行われることが主流でしたが、最近はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の登場によって、SNS上での情報発信から閲覧、コミュニケーションまで簡単に行えることは多くの人がSNSを使用するキッカケにもなっています。
そんな背景の中でSNSを利用する人の中でも、特に人気の投稿(俗に言う「バズる」投稿)を行っていたり、多くのファン(フォロワー)を持っているような、SNS上で強い影響力を持つ人が登場してきました。
そのような人のことを「インフルエンサー」と呼び、そのインフルエンサーの影響力を活用したマーケティング手法は「インフルエンサーマーケティング」と呼ばれています。
インフルエンサーと一言で言っても、その種類や定義は様々であり、単純にフォロワー数が多ければ良いというものではありませんが、あえてフォロワー数で分けると以下のような傾向にあります。

・トップ(メガ)インフルエンサー
目安のフォロワー数は100万人以上。
タレントや芸能人など、世間的にも知名度が非常に高い人です。
絶えず見られているので、投稿の度にフォロワーの反応(いいねやシェア、コメントなど)が活発に行われます。
トップインフルエンサーのフォロワーもインフルエンサーであることも多いため、情報が爆発的に拡散しやすいのも特徴です。

・マイクロインフルエンサー
目安のフォロワー数は数十万人から数万人。
知る人ぞ知るという特定のジャンルにおいて強い影響力を持つ人が多いインフルエンサーです。
トップインフルエンサーよりはフォロワー数は少ないですが、特定のジャンルにおいてはトップインフルエンサーを上回ることも珍しくなく、フォロワーとの距離感も比較的近い傾向もあります。
親近感・共感を獲得しやすいので、フォロワーの動機の掘り起こしや行動喚起にもつながりやすいのが特徴です。

・ナノインフルエンサー
目安のフォロワー数は数千人ほど。
その他のインフルエンサーに比べればフォロワー数が比較的少ないですが、それでも一般アカウント数よりは遥かに多いです。
フォロワーもリアルでの知り合いや、友達感覚でつながっていることも多いため、投稿への反応、特にフォロワー数に対するいいね、コメントの割合が高くなる傾向があります。
このようにインフルエンサーにも様々なインフルエンサーがいますので、起用する際の参考としてチェックすると良いでしょう。

インフルエンサーマーケティングの主な特徴

ここではインフルエンサーマーケティングの主な特徴について説明いたします。
インフルエンサーマーケティングとは、端的に言えばインフルエンサーの影響力を活用したマーケティング手法です。
SNS上で大きな影響力をもつインフルエンサーが製品やサービスをPRする投稿を行うことで多くの人に知ってもらい、購買やサービス加入など消費者の行動に影響を与えるきっかけを生み出します。
また、SNSの特性を活かしてインフルエンサーが消費者と直接やりとりを行う、時にはコメントに返信を行うことで更なる親近感を生み出すため、コミュニケーション型のマーケティング手法だとも言えます。
現在においてインフルエンサーマーケティングが注目を浴びているのは、この消費者の反応(いいねやシェア、コメントなど)が分かりやすい、可視化されていることが大きな理由でもあります。
従来のマーケティングの広告手法は企業が消費者に対して直接メッセージを発信する、TVやラジオなどのメディアを使って一方的な発信を行うことが一般的でした。
対してインフルエンサーマーケティングでは、消費者の視点を取り入れた共感性と訴求力の高いPRによって、製品やサービスの認知を増やして購買意欲の向上を実現することができるだけでなく、双方向のコミュニケーションによって企業やブランドのイメージアップにも繋がりやすいことが特徴です。
更に、TVやラジオにて広告を出稿する場合は、その影響範囲の広さから広告費用はかなり高額なものになりがちですが、それに比べるとインフルエンサーへの依頼料は抑えることが出来る傾向にあり、これもインフルエンサーマーケティングを活発にしている理由の一つです(もちろん依頼するインフルエンサーによって広告費用は大幅に変わります)。
一方的に広告を流す従来の広告と違い、インフルエンサーマーケティングは消費者の反応が分かりやすいので費用対効果が計算し易く、コメントに至っては見方を変えれば「消費者の声」を聞くことができるとも言えます。
そしてSNSを、インターネットを媒介することで拡散と伝播のスピードが圧倒的に早く、かつ広範囲の人、極端に言えば全世界の多くの人にすぐに知らせることが出来るのも特徴の一つです(これらのメリットについては次節「インフルエンサーマーケティングのメリット、デメリット」にて詳しく解説します)。
このようにインフルエンサーマーケティングはインターネット、及びSNSが身近になった現在のマーケティング手法として大きく注目されているのです。

インフルエンサーマーケティングのメリット、デメリット

これまでの説明からも分かるように、インフルエンサーマーケティングを行えば多くのメリットを享受することができますが、残念ながらデメリットとなることもあります。
ここではインフルエンサーマーケティングのメリット、デメリットについて詳しく解説します。

メリット

1. ターゲティングが行える
従来のマーケティングでは性別や年齢、職業や学歴などの人口統計学的な特性、ジャンルで区切ってターゲティングを行うことが主流でしたが、現代はユーザーのライフスタイルや価値観だけでなく趣味嗜好も多種多様な時代であり、以前のままにターゲティングを行っても 成果が出にくくなっています。
そこで、インフルエンサーを通して最適な趣味嗜好を持つ層に自社の商品・サービスのターゲットとしてリーチさせます。
その理由は、SNSはユーザーの日常生活に密着しやすくて趣味嗜好での繋がりも強いメディアであり、それぞれのジャンルに特化したインフルエンサーはそのジャンルへの興味関心が高いフォロワーを多く抱えているからです。

2. 広告ではなく投稿として信用してもらいやすい
企業が発信する情報は広告でなくても広告、宣伝だと見られてしまいがちであり、SNS上での広告は嫌われやすい傾向があります。
SNSは日常生活に密着しやすい、つまりは知人や仲の良い人と会話をしている場所であり、そこに企業アカウントがいきなり自社の情報を聞いてと話しかけてきたら誰もが鬱陶しいと感じるでしょう。
しかし自分が好きな人の話なら聞くように、支持しているインフルエンサーが発信する情報であればユーザーは目を留めてくれやすいのです。
更に自分が好きな人の話なら信じるように、インフルエンサーの言葉も信用してくれやすいのです。

3. 拡散性が高い
前節でSNSは拡散と伝播のスピードが圧倒的に早く、かつ広範囲の人にすぐに知らせることができると説明したように、インフルエンサーを介した投稿は更に拡散と伝播のスピードが早くなります。
特にSNSにおけるクチコミはインフルエンサーのフォロワー間でより拡散されやすく、そのクチコミが更なるSNS投稿を生むUGC(ユーザー生成コンテンツ)をも生み出します。
こうしてUGCが増えてSNSだけでなくリアルでも話題となり、俗に言う「バズった」状況にもなるでしょう。

デメリット

1. インフルエンサー選定が難しい
インフルエンサーマーケティングが成功するかどうかはインフルエンサーによって決まるといっても過言ではありません。
インフルエンサーにも得意なジャンルやユーザー属性があり、ただフォロワー数が多いだけでインフルエンサーを選ぶことが一番多い失敗例だと言えます。
フォロワー数が多いから多くのユーザーに情報を届けられる、確かにそれはそうなのですが、いくら多くの人に情報を届けても、興味のない情報は無視されてしまいやすいです。
インフルエンサーの中にはフォロワーを買って水増ししている似非インフルエンサーもいますので見極めが必要です。

2. ステマ(ステルスマーケティング)と誤解され、炎上するリスク
ステマ(ステルスマーケティング)とは、企業から報酬を支払って製品のPR投稿を頼んでいるにもかかわらず、そのことを隠してさも善意で薦めているように見せかける、宣伝行為と思わせない行為です。
ステマが発覚すると炎上して騒ぎになるだけでなく、企業やブランドの社会的信用を失う重大な事態に陥る可能性もあります。
炎上を防ぐにはインフルエンサーによる投稿にPRタグをつけるのはもちろん、企業との関係性を明示することです。
企業名と金銭・金銭・物品・サービスなどの提供があることをしっかり書きましょう。

3. インフルエンサー絡みの騒動に巻き込まれる
インフルエンサーは普通の一般人がほとんどであり、その言動は企業や組織から管理されたものではありません(最近は登録、管理などマネジメントを受け負っている企業もありますが)。
そのため、事前に丁寧なすり合わせをしておかないと企業の意図とずれた表現や投稿を行ってしまうこともありえます。
更には仕事として依頼している以外の投稿は、基本的にはインフルエンサーが好きなように投稿するので、過激な発言や著作権侵害などを行うインフルエンサーは炎上することも起こり得ます。
その影響、攻撃の矛先が企業に向かうことも珍しくなく、「仕事を依頼している=そのインフルエンサーを支持している」と見られてしまうことは意識しておいてください。

以上がインフルエンサーマーケティングの代表的なメリット、デメリットです。
これらを踏まえた上で、特にデメリットについては充分に注意してインフルエンサーマーケティングを行うようにしましょう。

インフルエンサーマーケティングの促進、運用方法

インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリットを充分に理解した上で、次は実践です。
ここではインフルエンサーマーケティングを依頼する側として、企業は何を行えばよいのか、促進、運用する方法を説明します。

1.目的とKPIを明確かつ適切に設定する

インフルエンサーマーケティングに限らずマーケティングを行う際は、消費者の熱量(フェーズ)に応じてマーケティング施策を最適化させることが重要かつ、効果を高めることができると言えます。
例えば自社ブランドの商品を消費者に購入していただく場合では、先ずはブランドを知ってもらう「認知」を広めるフェーズと、その後の「購買」を促すフェーズでは施策内容が変わってきます。
これをインフルエンサーマーケティングに当てはめるならば、まずはブランドの認知拡大を進めるためにマイクロインフルエンサー以上のインフルエンサー、トップ(メガ)インフルエンサーに依頼を行い、認知を目的とした投稿を行うと良いでしょう。
(一人だけでなく複数のインフルエンサーに依頼すると更に効果を発揮するでしょう。)
また、インフルエンサーマーケティングの効果を計測するためにも、目的と合致する適切なKPIを設定しましょう。
例えば「認知」が目的のフェーズならば、KPIは「リーチ数(投稿を見たユーザー数)」、「インプレッション数(投稿の表示回数)」「UGC数(クチコミのコメント数)」などに設定します。
「購買」が目的のフェーズならば、「購買数」「売上金額」「投稿のリンククリック数」「CPA(顧客獲得単価)」「CPI(消費者物価指数)」などをKPIに設定します。
今回のインフルエンサーマーケティングの目的(消費者のフェーズ)は何かを把握して施策を行いましょう。

2.インフルエンサーの管理

インフルエンサーがスムーズにPR活動を行えるよう、スケジュールを決めておいてインフルエンサーと共有しておきましょう。
また、インフルエンサーの投稿は事前に下書きをチェックしておきましょう。
自社ブランドのイメージとかけ離れていないか、意向に沿っているか、更にステマと捉えられてしまわないかなどしっかり確認しておきましょう。

3.自社のSNSアカウントとWebサイトを整える

インフルエンサーマーケティングと並行して、自社の公式アカウントとWebサイトを整えておくことも重要です。
特に自社の公式アカウントは必ず所持しておきましょう。
なぜならば最近ではGoogleなど検索エンジンではなくSNSから情報を集める人、特にインフルエンサーの投稿を見たユーザーが同じSNSで投稿の元を調べることが増えているからです。
また、インフルエンサーの投稿を見て、SNSだけでなくWebサイトも見るユーザーも意外に多いです。
自社の公式SNSアカウントやWebサイトをユーザーがチェックしたときに「陳腐だ」と思われるとユーザーの興味関心を損なってしまい、せっかく「認知」を増やしたのに「購買」に繋がらないことにもなってしまいます。
自社のSNSアカウントも丁寧に運用しましょう。

まとめ(成功のポイントを解説)

最後にインフルエンサーマーケティングを成功に導くポイントについて解説します。
それは、誰にどのような投稿をしてもらうかを決めること、インフルエンサーのキャスティングです。
インフルエンサーをキャスティングする主な方法は以下の3つです。

1. インフルエンサーマーケティング会社に依頼する
インフルエンサーマーケティング会社とは、インフルエンサーのキャスティングから広告展開の施策の企画まで、コンサルタント的な立場でインフルエンサーマーケティングをサポートしてくれる企業です。前述の通り、インフルエンサーマーケティングには「投稿内容のコントロールが難しい」「ステマと誤解されるリスクがある」などのリスクがありますが、インフルエンサーマーケティング会社はそれらのデメリットを知り尽くしているので適切なフォロー体制とノウハウを持っているので失敗のリスクを下げることができます。更に目的に合わせたKPIの設定も可能なので、特に初めてインフルエンサーマーケティングを実施する企業はインフルエンサーマーケティング会社に依頼することをおすすめします。

2. インフルエンサーのプラットフォームやツールを利用する
インフルエンサーが登録するインフルエンサープラットフォームを利用することで、インフルエンサーのSNSデータをもとに自社にマッチした人物を選定できます。
また、プラットフォームから複数のインフルエンサーへの連絡や投稿状況の管理が行えるだけでなく、効果分析ツールによるレポーティングなども行えるので手間が減り、作業効率も上がります。デメリットは、インフルエンサーへの商品発送やマネジメントを自社で行う必要があることや、プラットフォームの月額利用料のほかにも成果に応じて費用が更に必要になる場合もあることです。

3. 直接インフルエンサーに依頼する
キャスティングしたいと考えているインフルエンサーが既に確定している場合、インフルエンサーに直接連絡する手段もあります。企業とインフルエンサーが直接やりとりを行うため、施策実施を素早く行えることがメリットです。また、仲介業者がいないため中間マージンが発生せず、金銭支払がインフルエンサーへの報酬のみとなることもメリットです。デメリットはすべてを自社で行う必要があり、炎上対策はもちろん、契約トラブルやインフルエンサーと連絡が途絶えるといったリスクも起こり得ます。初めてインフルエンサーマーケティングを実施する場合は避けるべき方法でもあります。

このようにインフルエンサーマーケティングのキモはキャスティングであると言っても過言ではありません。
逆にキャスティングが上手くいけば、後は運用、管理をしっかり行えば成功の確率も高くなるマーケティング施策でもあるのです。
少しでも成功の確率を上げるよう、専門業者のツールやサービスなどを利用する、外部のチカラを借りるのも一つの方法です。
次節ではおススメのサービスを紹介しますので合わせてご検討ください。