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MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?概要、メリット、導入、運用、各社のツールを比較
マーケティングの手法として、市場規模が拡大しているMA(マーケティングオートメーション)。こちらの記事ではMAの解説と、導入、運用について紹介します。
マーケティングの手法として、市場規模が拡大していくMA(マーケティングオートメーション)。テレビCMでおなじみのSansan社のクラウド名刺管理サービスが大々的に放映された背景には、大企業をはじめとした日本企業でいかにMA関連の注目が高まっているかを示しています。
こちらの記事ではMA(マーケティングオートメーション)を検討されている方に向けて、基本概念、導入、運用などをイメージが湧くよう解説していきたいと思います。
目次
- MA(マーケティングオートメーション)とは?わかりやすく解説
- MAツールのメリット・デメリット
- MAツールの導入について
- MAの運用について
- 主なMAツール一覧
- MA(マーケティングオートメーション)まとめ
MA(マーケティングオートメーション)とは?わかりやすく解説
MA(マーケティングオートメーション)とは、「日々の繰り返し作業や、あらかじめ決められた作業を自動化できる仕組み」のことであり、MAツールとは「マーケティングおよび営業活動を支援するためのツール」となります。
具体的な支援内容とは
・リードマネジメント(=リードの獲得、育成、評価選別を行うこと)機能をもち
・最適なリード(=見込み客)へ
・最適なタイミングで
・最適なチャネル(=流入経路)を使い
・最適なアクションを実行
これらができる、効果的かつ効率的なコミュニケ―ションを叶えるテクノロジーツールです。
MAツールが普及した背景
近年、MA市場規模は拡大しています。2014年には170億円弱だった市場が2020年には420億円と2.5倍に拡大しました。(参考元:矢野経済研究所)
一昔前は欲しい車があれば、消費者は平均7回店舗に通い購入に至っていましたが、現在ではオンライン情報を取り入れるようになったため平均1.5回の来店で購入に至っています。これは、非対面コミュニケーションを実現するデジタルチャネルの発達によるものです。
消費者のデジタル化した一連の購買行動は24時間インターネットで行われ、十人十色の動きがあり単純一括のアクションで刈り取れるものではありません。
自社サイトの商品ページを閲覧したユーザーにはその商品のガイドメールを翌日に送ったり、資料ダウンロードしたユーザーには無料トライアルのメールを送ったりと、多角的なタイミングかつ様々な打ち手を駆使した試行錯誤と実行が必要となります。この「試行錯誤」と「実行」に役に立つのがMAツールであり、普及した大きな理由といえます。
MAツールのメリット・デメリット
MAツールを導入することで、企業にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。懸念となるデメリットについても紹介します。
MAツールのメリット
●リード育成の自動化
MAはリードの関心を高める、顧客化、リピート化、顧客単価の向上などに繋げるアクション(作業)を、事前に設計し自動化することができます。
●単純作業の効率化
スケジューリングされている作業を自動化できます。担当者への定型連絡や週次で行うよな顧客情報の更新などです。
自動化されることで人的ミスも軽減され、余裕ができた時間を設計や企画などのクリエイティビティな時間にあてることができます。
●セールスの自動化
リードのWEB動向に応じて自動でスコアリングすることができます。
メールの開封は1ポイント、資料請求は5ポイント、などと事前にランク付けとグルーピングをすれば、顧客の温度感に合った最適なセールス活動を一斉に行うこともできます。
●ツールの一元化
例えばアクセス解析はGoogleAnalytics、リード管理はCRM…というように別々のツールを使い分けている方も多いと思います。MAツールはすべてを一つで管理することも可能です。
●設置するだけでリード情報がたまる
簡単なコードをサイトに設置することで、そのページにアクセスした人のIPアドレスを取得することもできます。IPアドレスから地域や企業名を予測することも可能です。
MAツールのデメリット
●リソースの確保
MA導入に至るまで、ツールのデータ移管や設計までそれなりの工数や綿密な計画性が求められます。また、継続的なコンテンツの配信にはリードを飽きさせない工夫も必要なためコンテンツ内容の方向性や人員の確保も事前に考慮しておきましょう。
●設計ミスがトラブルに繋がる
MAはマーケティング活動の多くを自動化できますが、自動化の素材(リスト)などの準備は人の手で行う必要があります。宛名の間違いや、送信日設計の間違いはクレームなどにも繋がるため、慎重に取りかかる必要があります。
MAツールの導入について
これまでに多くの企業がMA導入で成果を上げていますが、上手くいかなかった事例もあるようです。
大体の場合は「ツールの問題」「費用対効果の悪さ」よりも、導入判断と導入の進め方に問題があった場合が多いようです。
まずは下記チェックリストを参考にMA導入を検討することをおすすめします。
☑ MA導入の目的は明確になっているか
☑ マーケティング部と営業部の目標は同じか
☑ これまでWEB業務全般の運用で解析を定期的に行いPDCAを回した実績があるか
☑ 見込み客に対して必要なコンテンツを準備してきたか
☑ MA運用のイメージがもてているか
☑ MA導入の際に専任の担当者を確保できるか
MAの運用について
上記ではMAの役割や導入について紹介しましたが、それでは導入から運用におけるマーケターの役割をいまいちど確認しましょう。
MAツールの設定や操作はもちろん大切ですが、最も重要なことは「PDCA:戦略立案・実施・解析・課題発見」を回すことです。MAは作業を自動化するための手段となり、「考える」ことは自動化できません。
●ターゲットとなる見込み客の理解
そもそも、見込み客のことを理解していなければ獲得も育成もできません。
まずは見込み客の理解が最重要となりますので、ペルソナ分析などマーケティングフレームワークの基本的な部分を整理してから臨みましょう。
●見込み客獲得方法の検討
見込み客を理解したら、どのマルチチャネル(広告/SNS/イベントなど)からどのように獲得するか検討します。どのKWで集客するかなど、詳細に計画します。この段階でカスタマージャーニーを使うと整理がしやすいです。
●リード育成方法の検討
見込み客の情報が集まったらナーチャリング(育成)施策を行います。
見込み客のレベルに合わせて、次のステップに育てることがMAの要でもあります。
また、これがMAシナリオ構成の元にもなりますので効率的かつ効果的な育成方法を継続して立案することが大切です。
●コンテンツの作成
ナーチャリング施策では、メールやWEBコンテンツを活用して見込み客とのコミュニケーションを行います。よりファンになってもらうためには優良なコンテンツを継続して提供することが求められます。
●効果測定と改善する
リードの理解から獲得、育成までの流れは簡単にいくわけではありません。
中々成果がでないこともあります。しっかりと効果測定を行い、改善を重ねて答えをみつけていくことがMAの本質でもあります。
●社内関係者とのコミュニケーション
MA運用に関する社内での情報共有はとても大切なことであり、マーケターの最も大切な役割ともいえます。
他部署がもつ知見やノウハウを出しあい、協力と連携の継続こそがMA運用を成功へ導く鍵ともいえます。
主なMAツール一覧
下記では、おすすめのMAツールを、BtoB、BtoCどちらの業態でも活用可能なツール、BtoBに特化しているツール、BtoCに特化しているツールの3種類に分けてご紹介します。
業態 | ツール名 | 特徴 |
---|---|---|
BtoB/BtoC | Adobe Marketo Engage | 全世界で5,000社以上が導入 |
^ | SATORI | 日本語のインターフェースで簡単操作 |
^ | b→dash | MAに必要な機能が揃った万能ツール |
^ | Marketing Hub | コンテンツの作成ROI測定も可能 |
^ | SHANON MARKETING PLATFORM | イベントやセミナー運営業務に強い |
^ | Synergy! | メール配信機能と組み合わせればMAツールとして活用可能 |
^ | List Finder | 使いやすく初めてのMAツールにおすすめ |
^ | KARTE | Webサイトやアプリの訪問者の行動や感情を解析 |
BtoB | Pardot | 見込み顧客(リード)への的確なアプローチを実現 |
BtoC | Probance | AIを活用し顧客のニーズを予測 |
^ | Aimstar | 業務ノウハウを含むテンプレートを標準搭載 |
MA(マーケティングオートメーション)まとめ
MA(マーケティングオートメーション)に関する概要をまとめてご紹介しました。
MAは効果が出るまでに時間が掛かることもありますが、PDCAを回していくことで確実な効果を感じることができるものです。
導入する場合は、自社の環境と相性を検討したうえで最適なツールを選び、マーケティングを改善・向上していきましょう。